本気でサステナブルカンパニー

WEPs
って何?

「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」とは、企業がジェンダー平等を経営の核に位置付け、自主的に取組むための行動指針です。ここでは、就活生とスタッフの会話からWEPsがどんなものなのかを知りましょう。

就活生 Kさんのプロフィール
大学2年生
  • 就活に早めに取り掛かろうとまずは短期インターンから探している。
  • 興味のある業界や企業研究はこれからだけど、大企業は色々取り組んでいそうだし、まずは有名企業から見てみようと考えている。
  • 学生団体で途上国支援活動。
    主に募金活動や学園祭でイベント運営している。
  • イベントを通し出会った社会人の方とたまにお話する機会がある。
  • バイトは塾講師とカフェ。
  • 学生団体のイベントにHさんが来てくれて仲良くなった。
本気でサステナブルカンパニー
若手担当者 Hさんのプロフィール
20代後半の会社員
  • 就活時は100社以上の説明会に行った。
  • 某大企業インターンの採用説明会で、ジェンダーバイアスがものすごく強い価値観の人事担当者にドン引き。
  • 卒業してから会った友人で、きちんと就活して入社を決めた会社だったのにセクハラや女性に対する風当たりの強さが原因で転職を考えている子がいて、こういう思いを今の学生にしてほしくないと思っている。
若手担当者 Hさん

Kちゃん、突然なんだけど
WEPs(ウェップス)って聞いたことありますか?

就活生 Kさん

いえ、初めて聞きました。WEPsってなんですか?

若手担当者 Hさん

『女性のエンパワーメント原則』の頭文字で、みんな“ウェップス”と呼んでいます。主に企業が経営において、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを推進したい時にぜひ活用してもらいたいツールです。

就活生 Kさん

そもそも『エンパワーメント』ってなんですか?

若手担当者 Hさん

エンパワーメントとは、関わる人の全員が本来の力を発揮できている状態や、自発的に意思決定をできる状態を指すことが多いです。
ジェンダー平等を考えるうえで、意思決定の場に女性が入っているかはとても重要になります。

就活生 Kさん

『WEPs』は誰によってつくられたものなんですか?

若手担当者 Hさん

一言でいうと、国連です。WEPsは2つの団体により策定されています。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連女性機関(UN Women)と地球規模課題の解決にコミットしている企業の集まりである国連グローバル・コンパクト(UNGC)が共同で策定しました。
国際基準であるということがわかりますね。

就活生 Kさん

すごい!
これはどういうときに、誰が使うものなんですか?

若手担当者 Hさん

基本的に企業が、ジェンダー平等を経営の中心に位置付けた際に具体的にすべきことを知りたいとき、また具体的な取り組み内容やその結果などの情報を、どう開示すれば良いかがわかるツールになっています。
でも企業だけでなく、NGOやNPOなどの民間団体や国際機関も取り入れていますし、政府の政策決定の際にも参考とされています。

就活生 Kさん

ジェンダー平等などの社会問題の解決には官民連携が必須だと聞いたことがあります。
WEPsを生かした取り組みをしたい企業は、まずなにから始めたら良いですか?

若手担当者 Hさん

まずは企業のトップによる署名が必要です。WEPsでは『最高経営責任者(CEO)による支持声明書に署名』とあります。署名しなくても活用できますが、署名すれば『私の企業は男女の平等を経営の主軸にして優先的に解決すべき課題だと思っています!』とアピールもできるわけです。署名した企業もぜひチェックしてみてください。ジェンダー平等を本気で推進している企業に出会えると思いますよ!

就活生 Kさん

企業名を検索するときは英語表記で検索します!でも署名だけでは取り組んでいるとは言えないと思います。署名した企業は具体的にどんなことをしたらよいですか?

若手担当者 Hさん

それがWEPsの7原則になります。私は7原則を山の頂上を目指すための地図に例えられると考えています。企業は署名したら、7つの原則に沿ってトップによるメッセージを発信したり、目標設定したりと取り組むことで、ジェンダー平等を目指していき、迷ったらまた立ち返れるような行動指針になっています。

就活生 Kさん

SDGsも国連によって策定された2030年までの達成目標ですが、やはり関係しているのですか?

若手担当者 Hさん

はい、実はSDGsの前文には『全てのゴールにジェンダー主流化を』とあります。どのゴールにおいても関わる全ての人の意思決定が反映されたうえで達成されるべきだと、SDGsでも主張されています。
具体的に、SDG5のジェンダー平等のターゲットを見てみると、『5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参加および平等なリーダーシップの機会を確保する』とあり、SDGsが目指すものとWEPsが促しているものは同じといえます。
WEPsに沿ってジェンダー平等を推進することでSDGsの達成にも貢献できるのです。

就活生 Kさん

こんなに役に立ちそうなツールが企業で取り入れられていることを、今まで知りませんでした。就活中の友人にもシェアします!

若手担当者 Hさん

まだメディアで見る機会も少なくて、知っている学生はなかなかいないですよね。でも自分が気になっている企業がWEPsに加盟しているか、WEPsに加盟した後、どのように取り組んでいるのか調べると、説明会や社員訪問では得られない情報も発見できるので学生にこそ活用してもらいたいと思います!

つまりWEPsとは?

「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」とは、企業がジェンダー平等を経営の核に位置付け、自主的 に取組むための行動指針です。持続可能で包摂的な経済成長に不可欠であるジェンダー平等を 達成すると同時に、企業の経済的・社会的価値を高めることを目指しています。7つの原則は、「職場(社内)」「市場(マーケットプレース)」「地域コミュニティ(社会)」を網羅し、企業が社会的 責任のある主体としてジェンダー平等に取り組むことを推奨しています。2010年3月に国連グローバル・コンパクトと国連婦人開発基金(UNIFEM、現UN Women)が共同で 策定し、2018年より、UN Womenが事務局(http://www.weps.org/)を担っています。WEPsの対象は、企業(民間、公共、政府系、組合、スタートアップ)、業界団体、商工会議所です。法令に基づいて設立された組織体であれば、規模や業界は問いません。署名、実施、報告の3つが 基本的なステップです。署名をすることでコミットメントを表明し、7つの原則に沿った取組みを行い、進捗状況と成果を自発的に報告することが期待されます。

WE EMPOWER Japanとグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンが 共同企画・制作したハンドブックから、参考になる日本企業のグッドプラクティスを7つの原則ごとにご紹介します。