本気でサステナブルカンパニー

WEPs
グッドプラクティス紹介

原則5
株式会社ポーラ
WEPs署名:2020年
施策概要
5.1 女性起業家・女性経営者によるビジネスへの支援
  • • 女性起業家の育成やステップアップを支援する。
  • • ポーラは、従業員だけでなく、お客さまに商品を販売する業務委託契約を結んだ個人事業主、ビジネスパートナーである「ビューティーディレクター」* と共にある企業です。ビューティーディレクターの多くは女性であり、お客さま個々人の肌・体調に合わせた商品・サービスを提案する「ポーラの要」となる存在です。*約4万1,000人(2019年12月現在)
  • • 弊社は女性にビューティーディレクターとして就労の場を提供し、無料でスキルアップ、自立を応援しています。全国津々浦々にショップがあり、どこに住んでいても、女性たちはそのチャンスを得られます。女性の可能性をポーラは事業を通して「女性支援・育成」×「地域活性化」へ昇華していきたいと考えています。
施策を導入した経緯(理由・動機)
女性にはまだ選挙権すらない1937年。販売員は男性の仕事と思われていた時代。「販売員募集」の張り紙を見て「女やったら、あきませんか」と一人の女性が声をあげました。ここから弊社の女性起業家の支援、育成がスタートしました。自分の可能性を信じ、彼女が一歩を踏みだしたことで「女性の可能性を広げる企業=ポーラ」が生まれました。
施策の開始日
1.1 トップの説明責任
  • • 2018年2月にダイバーシティ推進室とグループ女性活躍推進委員会を設置
  • • 2020年度–2022年度 グループ主要5社で女性活躍推進法に基づく行動計画を策定し、女性管理職比率の数値目標をグループと個社で設定。
1.3 評価への反映
  • • 2020年度より、グループ内で部下をもつ管理職は全員、ダイバーシティ推進目標を設定。
施策の開始日
1937年
施策の主な目標
女性の個人事業主の育成やステップアップ支援
施策を進めるにあたっての課題
  • 1) 販売手数料制による収入の不安定さ
    ビジネスパートナーであるビューティーディレクターとは委託契約を結んでいます。事業を始める際のリスクを最⼩限にして、女性起業家を支援したいという想いから、この契約を結んでいます。個⼈事業主であっても、仕⼊れなどのリスクがありません。商品を貸し出し、販売が出来た時にその販売手数料を収入として得てもらいます。また、固定給の雇用関係とは違い、努力したら努力した分だけの報酬を得られます。お客さまからの評価がそのまま収入につながります。その反面、お客さまができ商品を販売できるようになるまでは、収入が少ないといった課題がありました。
  • 2) 美容のプロフェッショナルの育成
    ビューティーディレクターを目指す方のほとんどは、未経験者の方です。そのため、お客さまお一人おひとりに合った提案をするために、ポーラの美容理論に則った知識・技術を⼀から学んでいただく必要があります。
  • 3) 扶養家族制度の壁
    ショップ経営の夢があっても、社会保険料の免除や税金の扶養控除を受けられる「扶養家族」の範囲を飛び越えて、チャレンジしてみようと思う女性が少ない傾向があります。
  • 4) お客さまとの接点
    当初、お客さまのお宅への訪問を中心に展開していましたが、女性の就業率のアップに伴う在宅率の低下により、訪問販売でお客さまと接点をつくることが難しくなりました。
課題に対して工夫したこと
  • 1) 新⼈スタート⽀援制度の導入
    活動初期の収⼊⾯ を⽀える「新⼈スタート⽀援制度」を導入。最高25万円/月を最長3年支援する「ショップオーナー養成コース」など、複数のコースから、ライフスタイルや⽬指すキャリアに合わせて選択可能にしました。
  • 2) POLA Universityの設立
    美容のプロフェッショナルを育成する教育機関として「POLA University」を設立。いつでもどこでも学べるe-ラーニング、ショップでの店内トレーニングに加え「POLA University」の研修プログラムを受講することが可能に。一人ひとりの成⻑度合いに合わせたサポートを行っています。
  • 3) マインドアップ・マネージメント研修の充実
    ショップ経営という夢に一歩踏み出す勇気を得ていただくために「キャリア開発研修」や「リーダーシップ研修」等、店舗マネジメント、⼈材育成ノウハウなどの研修を整備しました。
  • 4) 新しい接点開発・業態進化
    お客さまとの新しい接点の場として、路面店のエステサロン「ポーラ・ザ・ビューティー」を展開。ブランドを体現するショップとして店舗をはじめ、ショップ運営に必要な支援の提供も行っています。また、イベントや他企業さまとのコラボレーションを積極的に行うことでブランドの認知率向上を目指しています。
組織のジェンダー平等の推進にあたり、
WEPs署名企業であることのメリットや効果
  • • 社外への発信強化
    弊社は、人の可能性を高めることを大事にしています。例えば化粧を施すことで自分の魅力に気づいた女性の行動範囲が広がったり、100歳のビューティーディレクターがギネスブックに載ったり、80歳で店舗100カ所を束ねて月商2億円以上稼ぐ方もいます。約30年前、すでに子育てしている女性管理職がいましたし、大卒女性も活躍していました。これは、様々な節目に女性の力を信じて任せて投資してきた管理職や経営者の判断があったからです。
    人の可能性はちょっとしたきっかけで花開きます。この世界を可能性にあふれたところにしたい。弊社にとっての常識が、まだ日本の企業社会では当たり前ではないことを踏まえ、「ジェンダー平等」は、可能性開花の第一歩であることを、WEPs署名を機に、言語化し、社外にもっと強く発信していきたいと思います。
  • • 社内の意識改革と啓蒙活動
    弊社には女性の力を活かすことに、慣れている組織文化ではありますが、WEPs原則4「ジェンダー平等の実現に向けた教育と研修」に書かれているように、意識の底上げと定着、そして、管理職と一般社員との間に意識ギャップがあれば、そこを埋めるためのマネージメント改革を行っていきたいと思います。
施策の今後の計画・展望
  • • 地域で活躍するビューティーディレクターの活動紹介強化
    ポーラは、事業を通して「女性支援・育成」×「地域活性化」へ昇華していきたいと考えています。それを体現しているビューティーディレクターを全国に発信していきたいと思っています。例えば、自身が難病を発病したことをきっかけに、「誰にでもきれいになり、ハッピーになる権利はある!」と車いすでもエステが受けられるバリアフリーのエステサロンをオープンした方がいらっしゃいます。また、多治見市の産業を活性化させ、人々をイキイキと輝かせたいとの想いから、「地域創生」をビジョンに掲げ、多様化する女性の生き方の中で、「美容サービス」が行き届かない地域にサロンカーで出向き、美容の楽しさを、沢山の方々に提供している方もいらっしゃいます。
  • • マネージメント改革
    ダイバーシティを学び、考え、実際の行動に活かしていく「マネージメント研修」や、より本質的な問題をディスカッションによって浮き彫りにしていく「役員ディスカッション」など、より開かれた企業になれるよう意識の底上げと定着を目的に行っていきたい。その際にWEPsのジェンダー平等の取組みに関する物差しを使用していきたい。ジェンダーギャップに向き合うことは、どれだけひとりひとりと向き合い、要望を吸い上げるかであり、WEPsは、それを助けてくれると思っています。
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